『週刊現代』(1月3日・10日合併号)に
「未来の天皇『やっぱり愛子さまがいい』VS『当然、悠仁さま』」
という記事。
その中で明確に女系を排除する発言がある。
「もし、女系にまで皇位継承権を広げてしまったら、
収拾がつかなくなり、必ず争いに繋がりますよ。
日本が根本から変わってしまうかもしれない」と(八木秀次氏)。
奇妙な意見だ。
端から皇室典範の存在を無視している。
明治時代に皇室典範が定められた最大の意義は何か?
皇位継承資格を明確化し、
皇位継承者の範囲とその継承順位を法的に確定することで、
皇位継承に伴う紛糾や争いが生じる余地を無くすことだ。
勿論、今の皇室典範も同様。
従って、皇室典範を改正して女系を容認しても、
典範がその存在意義を失わない限り、
「収拾がつかなくなり、必ず(!)争いに繋がりますよ」
なんて話には、金輪際ならない。
また逆に、皇室典範が未だ無かった時代に、
事実上、ほぼ男系の継承者に限定されていながら、
どれだけ多くの争いがあったかを振り返ってみれば良い
(無論、それによって「日本が根本から変わってしまう」
などということは無かったが)。
今後も、もし皇室典範がその存在を無視され、
法的な権威を失う事態に陥れば、男系に限定していても、
直系と傍系その他の対立から「収拾がつかなくなる」可能性は
十分ある。
皇位継承を考える際に、
皇室典範の成立以後とそれより前を峻別するのは、
“イロハのイ”。
むしろ皇室典範の意義を無視した議論こそ、
皇位の継承に紛糾と争いを呼び込むことを肝に命じるべきだ。